直腸脱|豊田クリニック|川崎市高津区・溝の口

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直腸脱

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直腸脱

直腸脱は、直腸の一部または全体が肛門から外に突出する状態であり、生活の質に大きな影響を与えることがあります。本ページでは、直腸脱の詳細な説明、原因、症状、治療方法、予防策について詳しく解説します。また、よくある質問にも回答し、患者様が安心して治療に臨めるようサポートいたします。

直腸脱とは

直腸脱は、直腸の一部または全体が肛門から外に突出する疾患を指します。この状態は、直腸を支える骨盤底筋や靭帯の弱化により発生します。直腸脱には外脱(外部に直腸が突出する)と内脱(直腸が一時的に突出する)があります。外脱の場合、直腸が肛門から完全に外に出てしまい、自己戻しが困難になることが多いため、早期の治療が必要です。直腸脱は主に高齢者に多く見られますが、若年層でも慢性的な便秘や下痢、骨盤底筋の弱化などが原因で発症することがあります。直腸脱が進行すると、排便時の痛みや違和感、出血などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすことがあります。

直腸脱の原因

直腸脱の主な原因は、直腸を支える骨盤底筋や靭帯の弱化です。以下に具体的な原因を挙げます。

  • 慢性的な便秘や下痢: 長期間にわたる便秘や頻繁な下痢は、排便時に肛門周囲に過度な圧力をかけ、骨盤底筋を弱めます。これにより直腸を支える組織が疲労し、脱出しやすくなります。
  • 骨盤底筋の弱化: 加齢に伴い、骨盤底筋の弾力性や強度が低下します。女性では、妊娠・出産による骨盤底筋への負担も大きな原因となります。
  • 長時間の排便努力: 排便時に過度な力を入れることが、骨盤底筋に負担をかけ、直腸脱のリスクを高めます。
  • 神経障害: 糖尿病や脊髄損傷などによる神経障害は、骨盤底筋の機能を低下させ、直腸脱を引き起こす可能性があります。
  • 遺伝的要因: 骨盤底の構造や靭帯の強度に遺伝的な要因が関与することがあります。
  • その他の要因: 長時間の座位、重い物の持ち上げ、慢性的な咳嗽なども直腸脱のリスクを高めます。

これらの要因が複合的に作用することで、直腸脱が発症しやすくなります。

直腸脱の症状

直腸脱の症状は、脱出の程度や進行状況によって異なります。主な症状は以下の通りです。

肛門からの突出感

直腸の一部または全体が肛門から外に出ている感覚を感じます。外脱の場合は、実際に直腸が肛門から出ている状態が確認できます。

排便時の痛みや違和感

排便時に痛みや不快感を感じることが多く、特に重度の直腸脱では激しい痛みを伴うことがあります。

出血

脱出した直腸が擦れたり、刺激されたりすることで出血が生じることがあります。

便秘や下痢の悪化

直腸脱が進行すると、便秘や下痢の症状が悪化しやすくなります。

感覚異常

脱出した直腸が神経を圧迫することで、肛門周囲にしびれや感覚異常を感じることがあります。

尿失禁

骨盤底筋の弱化により、尿失禁が発生することがあります。

全身症状

重度の直腸脱では、貧血や体重減少などの全身症状が現れることもあります。

直腸脱の治療方法

保存療法

軽度の直腸脱や初期段階では、保存療法が選択されることがあります。

  • 生活習慣の改善: 便秘を予防するために、食物繊維の摂取を増やし、水分を十分に摂ることが重要です。また、適度な運動を取り入れることで、腸の動きを促進します。
  • 骨盤底筋の運動(ケーゲル運動): 骨盤底筋を強化するために、定期的な筋力トレーニングを行います。これにより、直腸を支える力が向上し、脱出の予防につながります。
  • 適切な排便習慣の確立: 排便時に過度な力を入れないようにし、リラックスして排便を行うことが推奨されます。

薬物療法

骨盤底筋の緊張を高める薬剤や便秘を改善する薬剤を使用することで、直腸脱の進行を防ぎます。ただし、薬物療法はあくまで補助的な治療として用いられます。

手術療法

重度の直腸脱や保存療法で効果が見られない場合、手術療法が必要となります。主な手術方法は以下の通りです。

  • 腹腔鏡下手術: 小さな切開を通じて腹腔鏡を挿入し、直腸を骨盤底に固定する手術です。侵襲が少なく、回復が早いのが特徴です。
  • 開腹手術: 腹部を大きく切開し、直腸を固定する手術です。重度の脱出や再発が繰り返される場合に適応されます。
  • 直腸固定術: 直腸を骨盤底筋や靭帯に固定することで、再脱出を防ぎます。
  • プロスパーサー留置術: プラスチック製の留置物を用いて直腸を固定する方法です。

補助療法

  • 坐位療法: 特定の座位を取ることで、直腸の脱出を防ぐ補助療法です。
  • 体位療法: 日常生活での姿勢を工夫し、直腸への負担を減らす方法です。

よくある質問

直腸脱は治りますか?
はい、適切な治療を受けることで直腸脱は改善します。軽度の場合は保存療法で管理可能ですが、重度の場合は手術療法が必要となります。早期に治療を開始することで、症状の進行を防ぎ、生活の質を維持することが可能です。
直腸脱を予防する方法はありますか?
はい、以下の方法で直腸脱の予防が可能です。
・適切な食事:食物繊維を豊富に含む食品を摂取し、便秘を予防します。
・十分な水分補給:水分を十分に摂取することで、便を柔らかく保ちます。
・定期的な運動:骨盤底筋を強化するために、定期的な運動やケーゲル運動を行います。
・適切な排便習慣:排便時に過度な力を入れず、リラックスして排便を行います。
・体重管理:適正体重を維持することで、骨盤底筋への負担を軽減します。
手術後の回復期間はどのくらいですか?
手術の種類や個々の患者様の状況によりますが、一般的には数週間から数ヶ月の回復期間が必要です。術後は医師の指示に従い、適切なリハビリや生活習慣の改善を行うことが重要です。
直腸脱は再発しますか?
はい、再発する可能性があります。特に生活習慣の改善が不十分な場合や、骨盤底筋が再度弱化する場合に再発リスクが高まります。定期的な検診と予防策の継続が重要です。
骨盤底筋の運動はどのように行えば良いですか?
骨盤底筋の運動(ケーゲル運動)は、以下の手順で行います。
・筋肉の特定:排尿を途中で止める際に使う筋肉を特定します。
・収縮と保持:その筋肉をゆっくりと収縮させ、5秒間保持します。
・リラックス:筋肉をゆっくりとリラックスさせます。
・繰り返し:これを1日に3セット、各セットで10回程度繰り返します。
正しい方法で行うことが重要ですので、専門医や理学療法士の指導を受けることをお勧めします。

まとめ

直腸脱は、直腸が肛門から外に突出する状態であり、早期の診断と適切な治療が求められます。治療法は症状の重さや脱出の程度に応じて選択され、保存療法から手術療法まで多岐にわたります。再発を防ぐためには、生活習慣の改善や骨盤底筋の強化が重要です。症状が疑われる場合は、速やかに専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。直腸脱は適切に管理することで、生活の質を維持し、再発リスクを低減させることが可能です。